皆さん、こんにちは。
今回は、「観光ビザ(短期滞在)で日本に来ているけれど、日本で働きたいと思っていたところ仕事が見つかった。観光ビザから就労ビザへ変更できるのか?」というご質問について解説します。
結論
結論から申し上げますと、原則として観光ビザ(または短期滞在)から就労ビザへの変更はできません。
その根拠は出入国管理及び難民認定法第20条第3項にあります。
前項の申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。
つまり、短期滞在から他の在留資格への変更は、「やむを得ない特別の事情」がある場合に限って認められるということです。
「やむを得ない特別の事情」とは?
では、「やむを得ない特別の事情」とは何でしょうか。
出入国在留管理庁は、短期滞在の在留期間更新について、
人道上の真にやむを得ない事情又はこれに相当する特別の事情がある場合
に認められると案内しています。
例えば、日本滞在中に病気やけがが判明し、日本国内で引き続き治療を受ける必要がある場合です。
日本の医療機関で検査を受けた結果、手術や入院が必要となり、当初予定していた期間内に帰国することが困難になった場合には、短期滞在から特定活動(医療滞在)または短期滞在への変更が認められることがあります。
一方で、
・日本で就職先が見つかった
・会社から内定をもらった
・日本で働きたいと思った
といった事情だけでは、通常「やむを得ない特別の事情」には該当しません。
そもそも観光(短期滞在ビザ)の目的とは…?
観光は観光、短期滞在ビザは親族訪問、知人訪問、申請によっては商用等を目的とした在留資格です。
そのため、当初から日本で就職活動を行い、そのまま就労することを予定していた場合には、短期滞在の本来の趣旨との関係が問題となる可能性があります。
もちろん、日本滞在中に偶然就職の話が出ることもあります。しかし、観光や短期滞在で入国した以上、原則として短期滞在から就労ビザへの変更は認められておらず、通常は一度出国して所定の手続を行う必要があります。
2026年3月に入管Q&Aへ注意書きが追加
2026年3月27日、出入国在留管理庁のQ&A(Q55)に注意書きが追加されました。
日本滞在中に在留資格認定証明書(COE)の交付決定を受けた場合であっても、短期滞在からそのまま就労系在留資格へ変更できるわけではないことが明確にされています。
つまり、
「日本にいる間にCOEが許可されたから、そのまま日本で就労ビザへ変更できる」
というわけではありません。
原則として、一度出国し、本国等にある日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の発給を受けてから再入国する必要があります。
「お金もかかるし時間がないのに帰国しなければならないの?」
「会社も早く働いてほしいと言っているのに、一度帰国しなければならないのですか?」
「母国に帰ると、時間もお金もかかります。何か良い方法はありませんか?」
というご相談を受けることがあります。
原則として手続きは以下の流れで進みます。見てみましょう。
1.会社がCOEを申請する
2.COEが許可される
3.COEを本人へ送付する
4.本人が本国等の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)を申請する
5.査証(ビザ)の発給を受けて日本へ入国する
ここで重要なのは、COEの審査と査証の審査は別の手続きであるという点です。
COEは法務省(出入国在留管理庁)が審査します。
一方、査証(ビザ)は外務省が所管し、日本大使館・総領事館が審査を行います。
日本へ入国するためには、COEの交付(法務省)後に本国等の日本大使館・総領事館(外務省)で査証の審査を受ける必要があります。母国の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)を受け取ることが原則とされているのは、そのためです。
ワーキングホリデービザから就労ビザへの変更について
ここで、ワーキングホリデービザをお持ちの方、また企業の方からいただくご質問についてもご紹介します。
「私はワーキングホリデーで日本にきて働いています。このままこの会社で働きたいですが、就労ビザに変更はできますか」
「私のお店(会社)で今ワーキングホリデーできている人を雇っています。就労ビザに切り替えてずっと働いてもらいたいのですが、変更は可能ですか」という質問ですね。
実は、ワーキングホリデービザから就労ビザへの変更については、国籍によって取り扱いが異なります。
例えば、
・オーストラリア
・ニュージーランド
・カナダ
・ドイツ
・韓国
などの一部の国については、日本国内で就労ビザへの変更が認められる場合があります。(2026年6月3日現在)
一方、多くの国については、原則として一度帰国し、本国の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の発給を受けてから入国する必要があります。
そのため、
「ワーキングホリデービザだから日本国内で就労ビザへ変更できる」
というわけではありません。
まとめ
観光ビザ(短期滞在ビザ)から就労ビザへの変更は、原則として認められていません。
病気治療などの人道上の理由や、それに準ずる特別な事情がある場合に限り、例外的に変更が認められることがあります。
また、ワーキングホリデービザについても、国籍によって日本国内で変更できる場合とできない場合があります。
日本で就職先が見つかった場合であっても、通常は一度出国し、本国等の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の発給を受けてから再入国する必要があります。
また、現在入国管理局での審査に相当な時間を要しています。
「お金のかからない方法で、なるべく移動しない方法で在留資格を変更できないか」と方法や情報を探すよりも、就職が決まった段階で、母国から必要書類を取り寄せ、できるだけ早く申請の準備を始めることが結果的に時間を有効に使えるのではないでしょうか。
情報は刻々と変わります。過去には認められていた取扱いが変更されていることもありますし、国籍や個別事情によって結論が異なる場合もあります。
インターネット上には古い情報も多く掲載されていますので、最新の情報を確認することが重要です。
短期滞在中やワーキングホリデー中に就職が決まった場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
【参考】
出入国管理及び難民認定法第20条
出入国在留管理庁「短期滞在」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/temporaryvisitor.html
出入国在留管理庁Q&A(Q55)
https://www.moj.go.jp/isa/immigration/faq/kanri_qa.html

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