世界には、歴史や宗教を背景として、さまざまな結婚・離婚制度があります。
ペルーには「エクセクアトゥール(Exequátur)」という制度があるため、今回はその概要についてご紹介します。
なお、下記内容は、ペルーの弁護士より伺った内容をベースに作成しております。
― 日本で離婚する前に知っておきたい重要な手続き ―
日本人とペルー人の国際結婚では、日本で離婚が成立しても、 その離婚が自動的にペルーで有効にはなりません。
特に、
- ペルー本国
- 在日ペルー大使館
- ペルー領事館
などへ婚姻登録をしたことがある場合、離婚後も、ペルー側では「婚姻中」と記録されている可能性があります。
そのため、日本では離婚済みでも、ペルー側では婚姻状態が継続している扱いになるケースがあります。
エクセクァトゥールとは?
エクセクァトゥール(Exequatur)とは、日本など外国の裁判所で出された判決や裁判上の離婚を、 ペルー国内で有効なものとして承認するための手続きです。
ペルーでは、外国裁判所の判断が自動的に効力を持つわけではないため、 ペルー側で承認手続きを行う必要があります。
日本の協議離婚だけでは注意が必要です
日本では、夫婦双方が合意していれば、市区町村へ離婚届を提出することで離婚が成立します(これを協議離婚、話し合いによる離婚といいます)。
しかし、ペルーでは日本のような協議離婚制度が基本的には存在しないため、 日本の協議離婚だけでは、ペルー側で離婚として扱われない、 または追加手続きが必要になる場合があります。
そのため、ペルーで婚姻登録をしている方が離婚する場合は、 日本の家庭裁判所を利用した調停・審判・裁判手続きを経る方法が必須となります。
一般的な流れ
- 日本の家庭裁判所で離婚調停・審判等を行う
- 調停調書・審判書・確定証明書等を取得する
- 戸籍への離婚反映手続きを行う
- 必要書類へアポスティーユを付与する
- 必要書類をスペイン語へ翻訳する
- ペルーの代理人弁護士へ書類を送付する
- ペルー側でエクセクァトゥール手続きを行う
スペイン語翻訳について
ペルーへ提出するスペイン語翻訳については、 ペルー側で認定された翻訳士(Traductor Público Juramentado)による翻訳が求められます。
必要書類については、ペルー本国で代理人となる弁護士に確認することが重要です。
必要になることが多い書類
案件によって異なりますが、一般的には以下のような書類が必要になります。
- 戸籍謄本
- 離婚届受理証明書
- 離婚届記載事項証明書
- 調停調書
- 審判書
- アポスティーユ
- スペイン語翻訳
弊所で対応可能な業務
弊所では、
- 戸籍謄本の代理取得
- 離婚届受理証明書の取得代行
- 離婚届記載事項証明書の取得代行
- アポスティーユ取得代行
など、日本側書類の取得からアポスティーユまでのサポートを行っております。
- 夫または妻が日本人で、戸籍謄本の取得方法がわからない
- 本籍地が遠方で役所へ行けない
- 海外在住で日本の書類取得が難しい
- 必要書類がわからない
といった場合もご相談ください。
日本国内・海外在住を問わず対応しております。
なお、日本の家庭裁判所での調停・審判手続きや、 審判書等の取得については、日本の弁護士へご相談ください。
また、ペルー国内でのエクセクァトゥール手続きについては、 現地弁護士へご依頼ください。
現地弁護士が代理人として手続きを行ってくれますので、ペルー本国へ出向く必要は原則ありません。
最後に
「日本では離婚済みなのに、ペルーではまだ婚姻中になっていた」 というケースは実際にあります。
特に、
- 将来ペルーで再婚予定がある
- ペルー側の身分登録がある
- 子どもの国籍や相続が関係する
場合には、事前確認が重要です。
国際離婚では、日本法だけでなく、相手国側の制度理解も必要になります。
ペルーで婚姻登録をしている方は、 離婚前に専門家へ相談することをおすすめします。
