養子縁組をすれば日本のビザ(在留資格)は取得できるの?
養子縁組をすれば日本のビザ(在留資格)は取得できるのでしょうか?
今回は、事務所へのお問い合わせ事例をご紹介します。
養子縁組をすれば、日本で生活するためのビザ(在留資格)を取得できるのではないか、と考える方は少なくありません。
特に、海外に住んでいる現在の配偶者の子を日本に呼び寄せたい場合、「養子縁組によって自分の“子”となれば、日本で一緒に生活できるのではないか」と考える方もいらっしゃるようです。
では、実際のところはどうなのでしょうか。
確かに養子縁組をすれば、家族としての外観は整うようにも見えますが、それだけで在留資格が認められるわけではありません。
結論から言うと、子が未成年か成人かによって大きく異なります。
成人した子どもの場合
事例1:「私は日本人です。配偶者は外国人で、現在日本で生活しています。配偶者の母国に住んでいる23歳の子について、養子縁組は可能でしょうか。」
この質問からは、「養子縁組により自分の“子”となれば、日本に呼び寄せて一緒に生活できるのではないか」という意図がうかがえます。
ですが、この場合、養子縁組によってビザ(在留資格)を取得することはできません。
成人している場合は、本人が以下のような在留資格を取得する必要があります:
- 留学ビザ
- 就労ビザ
親が主体となってビザを取得することはできません。
日系人の場合には、日系2世・3世は「定住者」ビザ、日系4世は「特定活動」ビザの取得を検討することになります。
未成年の子どもを日本に呼びたい場合
事例2:「現在私は日本に住んでおり、日本人(または永住者)と再婚しています。本国に15歳の子どもがいて、現在はもう一方の親が養育しています。子を日本に呼び寄せて一緒に生活したいです。」
このような場合、まずは在留資格認定証明書(COE)の取得を検討します。
親が「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている場合、子どもはその「子」として在留資格(ビザ)の申請が可能です。
審査では特に以下の点が確認されます:
- 世帯全体の収入状況
- これまでの送金履歴
- 実際の親子関係や生活実態
本国でもう一方の元配偶者が子どもを養育している場合には、入管から追加書類として、日本で一緒に生活することに同意する旨の書面の提出を求められることがあります。
まずは日本に呼び寄せて実際に一緒に生活し、その後に養子縁組を検討するのが一般的です。
養子縁組の手続き(未成年の場合)
未成年の子どもを養子とする場合、原則として家庭裁判所の許可が必要となります。
まずは、ご自身の住所を管轄する家庭裁判所に電話で問い合わせてみることをお勧めします。
手続きの流れや必要書類について案内を受けることができます。
養子縁組に関する裁判所のウェブページ:https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_08/index.html
ご自身の住所を管轄する家庭裁判所:https://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/kasai/index.html
手続きの流れは以下のとおりです:
- 家庭裁判所への申立て
- 家庭裁判所による審査・許可
- 市区町村への養子縁組届の提出
家庭裁判所では、日本語での対応が難しい場合、通訳人を付けることが可能です。通訳人は原則として裁判所が手配しますが、費用が発生する場合があります。
家庭裁判所に送付する主な必要書類(必ず事前に家庭裁判所にご相談ください。)
- 申立書
- 養親の戸籍謄本(日本人の場合)
- 住民票(養親が外国人で、戸籍謄本がない場合)
- 在留カードのコピー(両面)
- 収入印紙
- 連絡用の郵便切手
- 実親の同意書(取得可能な場合)
※個別の事情により、必要な手続きや書類は異なる場合があります。
家庭裁判所が書類を確認後、裁判所から連絡があります。
追加書類の提出や今後の手続きについて案内がありますので、指示に従って対応してください。
