日本で離婚したらビザはどうなる?今から準備しておきたい在留資格と親権のポイント

外国人の結婚

日本人配偶者・永住者配偶者との離婚を検討している外国人の方へ

※スペイン語での解説はこちら:
Divorcio en Japón: visa y custodia para extranjeros

日本で離婚した場合、離婚後のビザ(在留資格)はどうなるのか、生活や子育てをしていけるか不安に感じる方も多いと思います。

ご自身が永住者の場合は、大きな問題になることは通常ありませんが、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格をお持ちの方は、離婚後の在留資格や生活について不安を感じ、一歩踏み出せない方が多いと思います。

まだ、離婚を考え中の方は、離婚後も日本で生活を続けるために、今から準備を進めておくことが大切です。

本記事では、日本人配偶者または永住者配偶者との離婚を検討されている外国人の方に向けて、お子さんがいる方、いない方に分けて在留資格および親権についてご説明します。


お子さんがいない方へ

お子さんがいない方は、パートタイムや派遣社員でも構いませんので、まずはお仕事を始めることを検討してください。すでにお仕事をされている方は問題ありません。

在留資格の変更や更新の際には、生活の安定性が重視されます。そのため、給与明細(できれば3か月以上)、課税証明書(非課税でも問題ありません)、納税証明書、健康保険証の写しなどの提出が求められます。

現在の運用では、婚姻期間が一定程度あり(一般的には3年以上が一つの目安とされているようです)、日本での生活が安定していると判断される場合には、「定住者」への在留資格変更が認められることがあります。ただし、個別の事情により判断されます。

また、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」は実態のある婚姻関係、特に同居が前提となるため、別居期間が長い場合には理由の説明が求められることがあります。

また、離婚後は14日以内に出入国在留管理庁へ「配偶者に関する届出」を行う必要があります。この届出は法律上の義務(入管法第19条の16)です。

届出は、窓口・郵送・オンライン(電子届出システム)のいずれかの方法で提出できます。


日本人とのお子さんがいる方へ

離婚について

日本人とのお子さんがいる場合、離婚の際には親権について定める必要があります。最も多いのは、夫婦で話し合いを行い、離婚届を提出する協議離婚です。

2026年4月1日の民法改正により、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」が新たな選択肢として加わりました。これにより、これまでの単独親権に加え、父母双方が親権を持つという選択も可能となっています。
※ただし、すべてのケースで共同親権が認められるわけではなく、子の利益を最優先に個別に判断されます。

協議離婚の場合は、離婚届に単独親権とするか共同親権とするかを記載して提出します。2026年4月1日より、様式が変更となっていますのでご確認ください。離婚届はお住まいの地域の市役所・区役所または市役所・区役所のホームページでダウンロード可能です。

話し合いで合意できない場合には、家庭裁判所で調停を行うことになります(家事調停)。調停では第三者が間に入り話し合いを進めますが、それでも合意に至らない場合には審判(家事審判)に進み、最終的には裁判所が判断します。

家庭裁判所では、日本語での対応が難しい場合、通訳人を付けることが可能です。通訳人は原則として裁判所が手配しますが、費用の負担が必要となる場合があります。

夫婦間のトラブルにより警察を呼ぶケースもあるようですが、親権や離婚といった問題は家庭裁判所で扱われる事項であり、警察が解決することはできません。話し合いが難しい場合には、家庭裁判所での手続きを利用することになります。

親権については、「日本人が有利」と言われることもありますが、実際には国籍だけで決まるものではありません。子どもの生活の安定やこれまでの養育状況、収入や住居などの事情が総合的に考慮されます。

離婚後の在留資格について

在留資格については、「日本人の配偶者等」の在留資格をお持ちの場合、離婚後は変更が必要になります。日本人の実子を養育している場合には「定住者」への在留資格変更が認められる可能性があります。

在留資格の変更申請においては、収入状況も重要な審査要素となります。そのため、日本人の実子を養育されている場合であっても、パートや派遣等でも構いませんので、就労を開始することを検討してください。

収入が十分でない場合には、その状況について説明が求められることがあります。

また、離婚後はひとり親家庭に対する支援制度(児童扶養手当等)をお住まいの市区町村(役所)で申請することが可能です。これらの収入も含めて、在留資格の変更申請を行うことができます。


離婚の手続きについて

協議離婚の場合は、夫婦双方の署名がある離婚届に加え、成人2名の証人の署名が必要です。押印は任意であり、提出時には窓口に来る方の本人確認書類が必要となります。

一方で、裁判離婚の場合は、離婚届に加えて裁判所で発行された書類を提出します。

  • 調停離婚:調停調書の謄本
  • 審判離婚:審判書謄本と確定証明書
  • 和解離婚:和解調書の謄本
  • 認諾離婚:認諾調書の謄本
  • 判決離婚:判決書謄本と確定証明書

※外国籍の方が関与する場合には、追加書類が必要となることがありますので、事前にお住まいのの市役所・区役所に確認しておくことをお勧めします。


法律相談について

離婚に関する法的な相談については、法テラス(日本司法支援センター)を利用することも可能です。

収入等の要件はありますが、条件を満たす場合には無料で法律相談を受けることができます。

スペイン語での相談窓口はこちらからご確認ください:
https://www.houterasu.or.jp/site/spanish/


最後に

離婚後の在留資格や手続きについては、事前の準備が大切です。状況に応じて対応が異なりますので、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。